2000年代のファッションアイテム流行史

2000年代はインターネットの普及によって、各国で行われるファッションショーが気軽に見れ、お気に入りの洋服をネットで買うこともできるようになりました。
同時に、モデルと言えば別世界の人といったイメージでしたが、ファッション誌が読者モデルを採用しはじめたこともあって、ファッションが身近なものとなりました。

2000年代に流行したファッション

2000年代の全体の傾向としては、女性は可愛らしく男性は爽やかなファッションが好まれましたが、自分の好みの服を自分なりにコーディネートして着るスタイルが確立されていった時代です。
また今まではモードならモード、カジュアルならカジュアルでアクセサリーやバッグも統一したスタイルが多かったのですが、2000年ごろから「はずしのコーデ」が用いられるようになりました。セレブたちの間でも「はずしのコーデ」は人気でした。
この手法は「ミックスファッション」と呼ばれ、例えば、カジュアルなTシャツとドレッシーなレースのスカートをわせたり、フリルのついたブラウスにダメージジーンズをあわせるのが流行りました。
このスタイルは30年後の2020年代も「抜け感があるおしゃれコーデ」として、多くの人に支持されています。

2000年代前半の流行ファッション「セレブカジュアル」

出典元:https://ameblo.jp/rakuten-rady/entry-12280985944.html

2000年代前半は、セレブファッション人気が全盛期で、ちょっと崩したカジュアルな最先端のオシャレスタイルに誰もが夢中になり、次のようなセレブファッションに人気が集まりました。

トップスの上にキャミ

トップスの上にキャミソールを重ねるのがセレブの間に人気でしたが、比較的簡単なコーデのため多くの人が真似しました。

チューブトップ

肩を出した筒型のトップスのことです。肩と鎖骨の露出が魅力的で、セレブの間で人気でした。ズレ落ちないように、内側にカップがついたものやゴムが入っているものなどがありましたが、ノーブラで着用する人も多かったようです。

ベロアセットアップ

2000年代にセレブの間で流行っていたリラックスウエアが、ベロアセットアップでした。リラックスウエアとはいえ、お出かけ着としても用いられていました。

ボレロカーディガン

キャミソールと合わせるために最適だったのがボレロ丈のカーディガンで、セレブも愛用していました。

ローライズ

2000年代はじめから欧米の女性歌手や女優に人気のローライズは、腰のあたりで履くジーンズのことです。トップスに短い丈のシャツやブラウスを合わせることで、お腹がチラ見えしてセクシーなところが人気を呼びました。
また上半身をコンパクトにまとめることで、脚長効果が得られます。

ロングチュニック&ジーンズ

普通のトップスよりも長く、ワンピースよりも短いロングチュニックは、ジーンズやレギンスに合わせて当時のセレブ達も愛用していました。

レギンス

セレブから一般の人まで、チュニックにも普通丈のプトップスにも合わせられるボトムスとして、レギンスが人気でした。

2000年代後半の流行ファッションは「ミックスコーデ」

出典元:https://www.vivi.tv/post213188/

2000年代後半は、カジュアルとドレッシーなアイテムを合わせたミックスファッションに、高級ブランドのバッグを合わせるスタイルが流行りました。2006年はスキニージーンズが爆発的に流行り、女性たちの間ではシフォン素材のトップスやキャミワンピに、スキニージーンズのコーデが人気でした。
さらに、2007年秋からはカラータイツや柄物のタイツが防寒用としてのアイテムから、おしゃれアイテムとして昇格し、ミニスカートと合わせて楽しむ人が増えました。
また、ミックスコーデのアクセントとして、キャスケットやテンガロンハットといった帽子やヒッピーバンド(頭に巻いたり、付けたりするヘヤアクセサリー)など小物で遊びの要素を取り入れました。

スキニーパンツ

2006年には股上が浅く細身のスキニーパンツが爆発的に流行しました。中でもインディゴブルーがキレイなものが主流でした。当時は、ロングブーツにスキニーパンツをインするスタイルが流行しました。

台形のデニムスカート&パーカー

ミニやひざ丈のカジュアルな台形のデニムスカートに、パーカーやトレーナーを合わせるカジュアルなコーデも流行りました。冬はロングブーツを合わせる人が多かったようです。

マイクロミニスカート

セレブカジュアルの代表として知られていたニコール&パリスがマイクロミニスカートを履きこなしていたのが流行の始めです。2000年代の後半には一般の人もマイクロミニをはく人が多くなりました。

タイトワンピにデニム

腰部分が切り替えになったタイトワンピースに、ブーツカットのデニムを合わせたスタイリングも大流行しました。

トップスレイヤード

セレブの間でも人気のブラトップをシャツの上にレイヤードするスタイリングも、2000年代の後半には取り入れる人が増えました。

ロリータファッション

ロリータファッションは、1980年代にピークだったドールファッションがルーツと言われています。日本で人気が出たのは2000年代前半からですが、後半にピークを迎えます。
映画「下妻物語」で、深田恭子が着用したロリータファッションに憧れた人が着始めたのがきっかけとされています。華やかで、膨らんだスカートに象徴されるロリータファッションは、東京や大阪などの日本の都市部でストリートファッションとして、一部の人の間で流行しました。
日本でのストリート系ファッションのブームは、2008年に激安のH&Mが日本に上陸したことや、リーマンショックが起こった中で、ブームは下降気味となります。

MILKやPINK HOUSEなどのブランドが有名ですが、今でもロリータファッションの50~60歳代の愛好家がいるようです。

Z世代と今後のファッションの流行について

Z世代とは、1990年後半から2000年代に生まれた人です。主に1960~70年代に生まれた人をX世代、80~90年代に生まれた人をY世代と呼びます。
Z世代の語源は、アメリカの「ジェネレーションZ」から来ています。
2022年で考えた場合は、25歳以下の若い世代を示し、新聞やテレビからの情報よりも、SNSやYouTubeから情報を得る世代です。ファッションに敏感ではあるものの、ブランドに対するこだわりがあまりなく、自分の価値観に合うかどうかを基準にしているとされています。

堅実なZ世代

Z世代の前の1980年から1995年の間に生まれた世代をミレニアル世代と呼びますが、この世代は、25歳ぐらいから40歳ぐらいまでです。ミレニアル世代は、IT化やデジタル化が進んだ時代で景気もよく、ファッションに関してもある程度流行を取り入れながらお金もかけた世代でした。
ところがZ世代は、不況の時期に育っており、経済的事情を考慮して育っている人が多い世代ともいえます。そのため、支出を控える傾向があり、ファッションにおいても古着を上手に利用したり、ひと工夫して独自のマイブランドを楽しむ傾向にあります。

多様な価値観が流行った2000年代

2000年代は様々なファッションが台頭する怒濤の時代でしたが、今また2000年代のファッションがZ世代にも流行ってきています。流行を追うのではなく、それぞれの価値観に基づいたファッションを選んで楽しむスタイルは、これからもしばらくは続きそうです。