7月に入って夏休みももうすぐ!という皆さんに、今日はダウンジャケットの話題です・・・。
暑苦しいけど大事なことなので、ぜひご覧になってくださいね。
「シームレス」のダウンジャケットが流行っています
ここ数年「シームレス」という加工が使われているダウンジャケットがとても人気になっています。
シームレスダウンの特徴は、ダウンジャケット特有のキルティング(縫い目)がないこと。ダウンジャケットのキルティングは、生地を縫い留めることでダウンが下がってこないようにする働きがあるため必要な加工です。
しかし、ダウンに針を通すとどうしても小さな穴ができてしまいます。
何年も着続けることによってこの穴が広がってしまい、ダウンやフェザーが内側から外に向かって突き刺さるように出てきてしまうことがあるのです。
シームレスダウンは、針と糸で生地を縫い留めるのではなく、ポリウレタン樹脂を使って接着することでダウンの移動を防ぐ加工です。
針による穴がないため、穴からダウンが飛び出してしまうこともありませんし、耐水性も高くなっています。
保温性にも優れていて見た目も必要以上にモコモコしていないスマートさがあり、毎年のように人気商品になっています。
シームレスダウンのどこに注意が必要なの?
シームレスダウンは機能性とデザイン性はありますが、「接着してある」というところに注意が必要になります。
接着剤はやがて取れてしまいます
生地に穴が開かないため耐久性や保温性など高い機能があるシームレスダウンですが、問題は生地と生地を圧着するために使われているポリウレタン樹脂は必ず取れてしまうところにあります。
そうそうすぐに取れることはないのですが、東京都クリーニング生活衛生同業組合では「着用状態などにもよりますが3年程で圧着部分が剥がれてくる可能性が高いです。」と注意喚起しています。
価格にもよりますが3年は早いですよね・・・。
必ず3年で接着剤がはがれるということではありませんが、一般的なダウンよりは寿命が短いと考えておいた方が良いでしょう。
シームレスダウンをクリーニングに出してもいいの?
シームレスダウンも洗うことはできるのですが、クリーニングに出すことでトラブルになってしまうこともあります。
多くのクリーニング店では、ダウンジャケットを水洗いではなくドライクリーニングで洗っています。
ユニクロシームレスダウン、カナダグース、モンクレール、水沢ダウンなどの高級ダウンもドライクリーニングで洗うクリーニング店は多いのですが、シームレスダウンをドライクリーイングしてしまうと接着剤がはがれてしまうのです。
これには、ドライクリーニングで使用されるドライ溶剤が石油由来の油脂性溶剤作られていて、洗ってしまうとポリウレタン樹脂をはがしてしまうからという理由があります。
シームレスダウンを洗うなら水洗いが原則で、ドライクリーニングはできないのです。
シームレスダウンの購入前に知っておいてほしいこと
シームレスダウンにはとても大きなメリットがあることは間違いありません。
だけどリスクもあることを理解しておかないと、買ってから後悔してしまうかもしれません。
シームレスダウンについて知っておいていただきたいことは3つあります。
1.シームレスダウンは寿命が短い可能性があります
接着剤には寿命があり、必ず取れてきます。
3年程度ではがれてくる可能性もあるため、シームレスダウンはキルティング加工のダウンよりも早くダメになってしまう可能性があります。
2.シームレスダウンのドライクリーニングは自己責任になります
シームレスダウンであることが理由でドライクリーニングを断られてしまうケースもあると思います。それでもドライクリーニングを希望するなら利用者側の自己責任でお願いすることになります。
そもそもドライクリーニングに向いていないものをお願いするわけなので、万が一トラブルがあってもクリーニング店では保証してもらえません。
水洗いであってもすでに劣化が始まっているシームレスダウンは剥がれが進行してしまうかもしれません。
了承のうえ、クリーニングをお願いすることになるでしょう。
3.フリマアプリや古着の購入時にもご注意を
フリマアプリや古着店では、一見キレイに見えても何年着用しているのかわからないシームレスダウンも販売しています。
すでにはがれているところがないことを出品者さんにしっかり確認することも大事ですが、そもそも寿命が短い製品であることを考慮すると製品が完成したときから劣化はスタートしているとも言えます。
その点を理解したうえで購入を検討した方が良さそうです。
シームレスダウンはどうやって洗えばいいの?
お手持ちのシームレスダウンを洗うときは「水洗い」をしましょう。
自宅で手洗いする
ユニクロのシームレスダウンなど、比較的安価でシーズン中は毎日着るようなダウンなら自宅での手洗いに挑戦しても良いと思います。
おしゃれ着用洗剤やダウン専用洗剤を溶かした洗剤液にやさしくダウンを沈めて押し洗いをします。
十分にすすいで、洗濯機で30秒ほど脱水してから風通しの良い日陰で平干しをします。
8割程度乾いたら10分~15分ほどタンブラー乾燥するとふっくらと仕上がります。
詳しい洗い方はこちら↓
ダウンジャケットの水洗いが可能なクリーニング店に依頼する
ブランドダウンなどはダウンジャケットを水洗いしてくれるクリーニング店に依頼してみて下さい。
ただ、街のクリーニング店ではそもそもリスクの高い高級ブランドダウンのクリーニングを行っていなかったり、ダウンの水洗い(ウェットクリーニング)は不可というところもあります。
必ずデリケートなダウンジャケットを水洗いできる実績を持つクリーニング店に依頼するようにして下さいね。
不安でしたら依頼前にお問い合わせフォームなどから確認をして、丁寧に回答をしてくれるお店にお願いすると良いでしょう。
しかし、いずれにしても1度劣化が始まってしまったシームレスダウンはクリーニング店でも改善することはできません!
お手持ちのものがあれば丁寧に扱ってあげて、これから購入するならメリット・デメリットをしっかり理解して検討して下さいね。