ファッションデザイナーの仕事ってどんなもの?(1)

「オシャレな洋服」の立役者!ファッションデザイナーって?

「ファッションデザイナー」という仕事に、あなたはいったいどんなイメージをもってますか?

華やかそうで憧れる、素敵な服を作るオシャレな仕事。服やファッションが大好きな人がなる職業…。

そんなイメージも間違ってはいないようですが、

まず、実際のところの現実的な話として、ファッションデザイナーの人って日々どんな仕事をしているのか、ご存知ですか?

「服のデザインを絵にするデザイン画を描いて、どんな服をつくるかを決める仕事でしょ?」と思うかもしれませんが、実はそれだけではないんです。

 

筆者もこの記事を書くまでは、そんな王道のイメージしかありませんでした。

しかし記事を書くにあたって本を読んだりして勉強し、ファッションデザイン画を書くのはすべての仕事の一部分、という事実を知って、目からウロコが落ちました。

じゃあ、「ファッションデザイナー」って、いったい、どんな仕事なの?

この記事では、「オシャレな服の立役者」であるファッションデザイナーのお仕事の真実に迫ります。

 

新作コレクションの製作は店に並ぶ1年前からスタート

 

 

ファッションデザイナーは、毎年、新作の服の製作と発表を繰り返しています。春夏コレクションの製作をして、展示会とファッションショー開催で発表したら、秋冬コレクションの製作に取り掛かります。

そしてその秋冬コレクションも完成して展示会とファッションショーで発表したら、また次の春夏コレクションの製作に取り掛かります。これを常に繰り返す、というスケジュールになっています。

そして、実際に服が店頭に並ぶ約1年もまえから、デザイナーの製作は始まっているのです。

大抵のデパートやファッションビルは、2月ごろに春夏の新作コレクションを並べ始めますよね。

そうすると、1年前の2月には、ファッションデザイナーが製作を始めている、ということになるのです。

 

ふつうの人の感覚では、来年がどんな年になるのか、来年人々がどんなものを好み、どんな服が求められるのか、まったく予測がつかないですよね。

それでも時代を先読みして、来年の春、デパートの洋服ラックに並べたら、売れるような素敵な服をデザインしなければならないわけです。

ときにはプロのファッションデザイナーさんたちも、

「だめだ、来年春夏コレクションはどんなイメージの服にしたらいいか今の段 階ではちょっと思いつかない……!!あ~どうしよう……!!」

と苦しむことも、きっとあるのでしょう…!

 

まずは新作コレクションのコンセプトやテーマを決める

 

さて、店頭に服が並ぶ1年ほど前。

来年のお店での販売スタートを目指し、新作コレクション製作が始まります。

デザイナーさんがなにから始めるかというと、製作する新作コレクションのコンセプトやテーマを決めていくことから始めます。

新作コレクションのコンセプトやテーマを決めるということは、そのコレクションの服の雰囲気や世界観を、どんな感じのものにするかを決める、ということです。

たとえば、イッセイ ミヤケ (ISSEY MIYAKE) が2010年発表したレディースの秋冬コレクションを例にしてみます。

「Poincaré Odyssey – ポアンカレ・オデッセイ -」と題されたコレクションなのですが、アメリカの数学者であるウィリアム・サーストン博士の理論化した「8つの宇宙の形」からインスパイアされたテーマなのだということです。

このときのコレクションでは数学的な放物線がパイピングされている服や、幾何学模様風に編まれたニットポンチョなどの服が発表されていました。

【画像出典】

FASHION PRESS 

ISSEY MIYAKE イッセイ ミヤケ 2010-11年秋冬コレクション より

URL https://www.fashion-press.net/collections/95

 

 

 

世界でも難解とされる「数学の理論」から、どんな洋服にするのか、というインスピレーションをもらうなんて!?

数学とファッションは、まず何の関係もないように思える分野です。尋常に考えてありえない取り合わせですよね。

 

 

常識的な発想をあっさり突き抜けて、自分が目にしたさまざまなものから服のアイデアを発想していく…。

これは、やはり天賦の才に恵まれたクリエイターである、「イッセイミヤケ」というデザイナーだからこそできる離れワザではないでしょうか?

正直いって、天才デザイナーではないふつうの人は、なかなか数学理論から服のデザインを思いつくことはありませんから!

 

このように、ファッションデザイナーは実にいろいろなものからインスピレーションを得て、新作コレクションの「コンセプトやテーマ」を考案します。

ここでは難解な数学の理論からテーマを決めたという「イッセイミヤケの2010年秋冬コレクション」を例に出しました。

しかし、どんなものから洋服デザインのテーマのヒントを得るかは、ファッションデザイナーの趣味嗜好や取り巻く環境、目にしたものなどによってまったくちがうもの。

街を歩く人たちのなにげない光景や、映画や小説や音楽や絵画といった芸術からインスピレーションを得て洋服デザインに活かしているファッションデザイナーさんもいますね。

 

そして、だいたいザックリと洋服デザインで表現したいコンセプトやテーマが決まったら、つづく次の作業に移ります。

 

ファッションデザイナーの仕事ってどんなもの?(2) へ続く!!

 

「ファッションデザイナーの仕事ってどんなもの?」第一弾のこの記事では、「毎年どんなスケジュールでファッションデザイナーさんが服を製作しているのか?」、「どんなものからインスピレーションを得て洋服デザインのテーマを決めていくのか?」について語りました。

続く記事では、具体的な洋服製作の内容やいよいよファッション画(ファッションデザインを描きあらわす絵)を描くといったところもご紹介したいと思います!

続きも読んで、デザイナーの仕事についてどんどん詳しく知っていきましょう!