【ファッションニュース】資生堂が制服改革。私物着用もOKになります

2022年9月15日、資生堂が創立150周年を機に、店頭対応を行うスタッフ「ビューティーコンサルタント」の装いを新たにすることを発表しました。
革新的なオフィスウェアをご提案するDOW?としても、とても興味深いニュースリリースでしたので改めてご紹介します。

資生堂「ビューティーコンサルタント」とは?


ビューティーコンサルタントは資生堂の店頭スタッフ。お客様の悩みをヒアリングしたり、メイクをしながらアドバイスをしてくれます。
一般的には「美容部員」と呼ばれる職種ですが、資生堂ではビューティーコンサルタントと呼んでいます。

美容部員(ビューティーコンサルタント)のお仕事とは?

化粧品もネットで買うこと多い時代かと思いますが、美容部員は現在でもなりたい職業ランキングで必ずランクインする職業です。
仕事として求められることは、やはり自社製品の販売数を伸ばすことです。
そのために次のような業務をこなすことになります。

1.「接客・販売」などの店頭業務

ビューティーコンサルタント(美容部員)は販売や営業などの一般的な店頭業務も行います。
品出し、レジ、売上管理、棚卸、パンフレットの整理などのバックヤード作業もお仕事のひとつです。

2.カウンセラー業務


お客様のお悩みを聞いて、スキンケア、メイク、食生活など多角的な視点から解決方法を提案するのもビューティーコンサルタントのお仕事です。

流行の最先端やファッションを取り入れたメイクの提案、1日経っても化粧崩れしにくいメイク、肌のお悩みを上手にカバーする技術、敏感肌の対処法など、あらゆる肌悩みの解決方法を知っておく必要があります。
お客様にメイクを施す機会も多いので、最新のメイク技術を常に取り入れる姿勢も求められるでしょう。

3.広告塔であること

いつも美しいメイクと好感が持てるヘアスタイルで、姿勢正しく接客をしているビューティーコンサルタントをご覧になったことがある方も多いと思います。
ビューティーコンサルタントは化粧品メーカーの顔となるスタッフであることから、自社の製品にふさわしいたたずまいが求められます。

資生堂ビューティーコンサルタントの何が変わるの?

資生堂はこれまでも女性が働きやすい職場作りを行うなど時代にあわせた改革を施してきましたが、今回は大きく2つの変化がありました。
(正式な変更は2022年10月1日になります)

「ビューティーコンサルタント」から「パーソナルビューティーパートナー」へ

名称が「ビューティーコンサルタント」から「パーソナルビューティーパートナー」に変わります。呼称変更は32年ぶりになります。

「コンサルタント」には課題に対して助言や指導を行う専門家という意味合いがあります。専門職として美しさのアドバイスを行い美容業界をリードするイメージが感じられるかと思います。

対してパーソナルビューティーパートナーはコンサルタント視点ではなく、お客様ひとりひとりに寄り添って、男性も女性もお客様自身が求める自分らしい美しさを一緒に創り上げる存在というイメージ。
ジェンダーレスな個性重視の視点で、長期的に専門知識を活かした寄り添える存在になりたいという願いが感じられます。

制服が変わります!


ようやく本記事の本題です。
これまでパーソナルビューティーパートナーは、その時代の流行を取り入れた制服を着用してきました。
原点は88年前に誕生した「ミス・シセイドウ」です。1934年に240人以上の候補から選ばれた9名がミス・シセイドウ第1期生となり、皮膚科学、美顔、生理学、接客マナー、身だしなみ・礼儀作法、芸術などを7か月間もかけて研修を受けて、美容のプロとして華々しく活躍していたのです。

その制服姿はまさに時代の「美」を象徴するデザインで、女性のあこがれでした。
また、現在ほど働く女性が少なかった時代なので、女性の社会進出やはつらつと仕事をする姿としても輝きがありました。

制服はどうなるの?

制服やユニフォームには統一感や団結力のようなものが感じられますが、これからのパーソナルビューティーパートナーでは、このトラディショナルな統一感が取り払われます。

14種類、計120通りの着回しが可能に


出展:資生堂「次なる時代のビューティーコンサルタント、「パーソナルビューティーパートナー」誕生」多様なコーディネートが可能なコスチュームの着こなし例

制服としてジャケット 2 種、カーディガン 1 種、インナー5 種、ボトムス 4 種、ワンピース 2 種の全14種類で計120通りのバリエーションで着用できるようになります。

私服を取り入れてOK

制服にあわせて、私服のコーディネートを取り入れられるようになりました。
Tシャツ、スニーカー、ブーツなどの私物を自由に着用できます。

これらの制服・私服に、ブランドアイコンとして資生堂のシンボルカラーである赤を基調としたリボンモチーフのブローチを身に着けることになるそうです。

コスチュームの素材と環境問題


資生堂は日本が誇る化粧品製造・販売のトップメーカーとして、2030年に向けたサステナブル社会の実現を目指しています。

着用されなくなった制服のリサイクルについても企業として向き合っていて、2009年よりCO₂が排出されない廃棄処理の「ケミカルリサイクル」を採用しています。
無酸素状態での処理によって炉内の残留物(灰)がゼロとなるため、廃棄物を100%再生利用できる方法です。

顧客の声は?

全面私服化にしてしまうと、「ブランドイメージにふさわしい私服を選ぶのはセンスも問われるし経済的にも大変だから、結局制服のほうがラクだった」というスタッフも多かったのではないかと思います。
DOW?外部ライターとして働く女性のひとりとしては、ただ「私服OK」にするだけでなく制服の種類を増やしてさらに私服着用もアリの柔軟な改革を行ったことは好感が持てると感じます。

また、パンプスよりも動きやすいスニーカーなどの足元アイテムを取り入れられるという点でもとても良い改革ではないでしょうか。

ただ、消費者からの口コミでは「制服のほうがスタッフとわかりやすい」「あのピシッとしたスーツが資生堂らしくて好きだった」などのややネガティブな声も見られました。
こういった様々な意見を取り入れて、また改革が行われていくのかもしれませんね。

DOW?も新しいオフィスウェアを提案させていただきます

今回の資生堂の大きな改革は、働く人のためのデザイナーズオフィスウェアを提案するDOW?としても参考にすべきところがありました。

皆様の勤務先の制服事情はいかがでしょうか?
資生堂のような費用もかかる大規模な改革は難しいかと思いますが、ぜひDOW?のこれからにご注目下さい。

働くスタッフご自身が「この制服が着たい!」と思えるような気持ちを前向きにしてくれるオフィスウェアを開発してまいります。

<参考>資生堂:「自分らしい美」を一緒に創り上げるパートナーへ 次なる時代のビューティーコンサルタント、「パーソナルビューティーパートナー」誕生