モデルからデザイナーへ、目線が違うからこそできること
内田ゆうほ氏 参照:https://qui.tokyo/feature/noralily-designer-interview-190529
内田ゆうほ氏は、1995年生まれ、千葉県の出身です。16歳の頃にモデルとしてスカウトされて、東京コレクションでデビュー。その後も多くの媒体で活躍を続けます。ロックバンド、フレデリックの「オドループ」という楽曲でプロモーションビデオにも出演し、大きな注目を浴びました。2017年には、自身のファッションブランである「Nora Lily(ノラリリー)」を立ち上げ、モデルの経験を活かして服づくりをおこなっています。今回はモデルとデザイナーという異なる目線でスタイルを創造する、内田ゆうほ氏をご紹介します。
洋服への興味は、モデルという仕事に出会ってから
高校生の頃にスカウトされて、ファッションモデルの道へ踏み出した内田氏。それ以前はサロンでヘアモデルをしていて、表参道にあるサロンへ向かう途中で偶然スカウトされたことが、彼女の運命を大きく変えました。リトゥンアフターワーズというブランド担当者に見出された内田氏はその後すぐに東京コレクションのランウェイを歩きます。
ただ、意外なことに、内田氏はスカウトされた高校生当時、ファッションに関して、それほど興味があったわけではないと言います。「モデルの仕事をはじめてから、こういう世界もあるんだなってなって興味がわいてきた感じなんで」と、語るように、仕事としてファッションに触れているうちに自然と自分の内にファッションというものを感じていったようです。
バイト先の店長が言った一言で、ブランドを設立
参照:https://zozo.jp/coordinate/?cdid=15783693
高校に通学しながら、モデルの仕事を継続していた内田氏。並行して、アパレル系のアルバイトもしていました。その頃には、自分の着る洋服にもこだわりを持っていたため、多くのショップを周って買うものを決めていたそうです。しかし、そこで気づいたことは、なかなか、自分の「着たい服」が無いということ。「お洋服を買いにいっても全然ほしい服がなくて。仕事で着る服も、ちょっとお姉さんっぽかったり、そのとき流行のものだったり、自分が着たいイメージと少し違っていて。それでいつも、店長に『着たい服がない、着たい服がない』ってぼやいていたんですよね」と、語るように、バイト先の店長に雑談として話していたようです。
すると、それを聞いていた店長は「じゃあ、作っちゃえばいいじゃん」と言い、実際に知り合いのアパレルメーカーの方を紹介してくれたのです。その偶然のような出来事こそが、内田氏のブランド「Nora Lily(ノラリリー)」の始まりでした。それ以来、モデルとデザイナーという2つの目線でファッションを見ることになっていきます。
自分の思いをカタチにする難しさ
高校生の頃からモデルとしてのキャリアを積んできた内田氏。しかし、洋服をデザインする、ということに関しては、ほとんど知識がありませんでした。そのため、服づくりに関与していく過程で、自分の思いをパタンナーなど製作サイドに伝えることには、かなり苦労をしたようです。
擬音まで駆使して、試行錯誤
参照:https://zozo.jp/coordinate/?cdid=17517327
特に最初の半年間は、自分のイメージを伝えるために、多くの試行錯誤をおこなったといいます。「このディテールを使ってくださいって写真を渡したり、簡単な絵を描いたり、もっとひどいときは『ここがこうなってて、ここがくるっとなってて』みたいな擬音で指示を出す感じ(笑)。ほんと、パタンナーさんに無理を言っていますし、そこから形にしてくださるのでありがたいです」と、言うように、周囲の大きな協力もあって、ブランド「Nora Lily(ノラリリー)」は誕生しました。その周囲の協力に対して、内田氏は、現在でも非常に感謝をしている、と述べています。
多種多様なアイテムをつくることがコンセプト
参照:https://zozo.jp/shop/perkyroom/goods/62795708/?did=103788891
ブランド名の「ノラリリー」というのは、内田氏の想像する金髪ボブの女の子。ブランドは、その女の子に着せたい服を作っているそうです。そして、大きな特徴は、きっちりとしたテーマを設けないということ。「シーズンテーマみたいなものもあまりカチッと決めていないですね。私は一応モデルなので、いろんな服を着る仕事じゃないですか。だからあんまりテーマ性で絞っていくよりは、いろんな服があるほうが面白いかなと思っています」と、語るように、ノラリリーというブランドは、多種多様なアイテムでユーザーを楽しませてくれます。
このように、既存のブランドとは少し違った目線で考えられるのも、内田氏がモデルとデザイナーという異なる視点を持っているから。これからも、独自のコンセプトで多くのアイテムを生み出してくれることでしょう。