まだまだ続く!ユニセックスファッションが流行り続ける理由


ユニセックスとは、男女の区別がないという意味ですね。「uni」はひとつ、「sex」は性別で、ひとつの性別という意味からファッション業界では男女区別なく着用できる洋服、スタイル、デザインなどを指します。

 

ユニセックスな服とは?


男性と女性の体つきには違いがあります。男性の体は骨格を感じやすく、筋肉もつきやすい、身長も女性より高い。女性の体は丸みを帯びていて特にバストとヒップの肉付きは男性とは全く違ったものになっています。

体のラインに元々の違いがあるため、着心地が良い服はそもそも異なります。
洋服をデザインするときにはこれらの違いも考慮されるのですが、ユニセックスな服では、男性・女性のどちらも快適に着用できるように体のラインを拾わないボリュームのある作りになっているものが多いです。

 

なぜ世界中でユニセックスな服が流行ってるの?


ユニセックスなファッションが流行り続けている理由には、デザイン性、ファッション性の良さももちろんありますが、それ以上に重要なエッセンスとしてジェンダーレスが挙げられるでしょう。
ジェンダーレスは生物学的視点での男性・女性の性別を前提とした差別をなくす考え方ですね。

オートクチュールの時代から、ファッション業界はこういった社会の動きに非常に敏感です。
古くはココ・シャネルによる「女性の解放」があります。
1916年に発表したジャージー素材の服は、それまでコルセットでウエストをギュウギュウに締め付けていたファッションから女性を自由にしました。

1960年代には戦後の重苦しい時代からの復興を遂げ、新時代の刺激を求めるムーブメントが起こります。その代表となるファッションが女性のミニスカートです。
ツイッギーが着用したミニスカートによって世界中に大・大・大ブームが起こりました。

それから1966年には、男性だけが着用するものであったタキシードを女性用に初めてデザインしたファッションが誕生します。

これはイヴ・サンローランによるものです。

タキシードは特権階級の男性が非常に特別な場でのみ着用する衣装です。現代のように男女が対等とはまだ言えなかった時代に男性だけの特権階級の衣装を女性向けにデザインして発表したことは、非常に大胆な社会へ向けたメッセージでした。

現代デザイナーもジェンダーレス、ボーダーレスなデザインを取り入れ、アパレル業界から多様性を提唱しています。
現在巻き起こっているジェンダーレスを取り入れたファッションムーブメントも、のちの社会から振り返れば男性・女性の両方を既成概念から解放した興味深い出来事として歴史に残ることは間違いありません。

 

ユニセックスな服のメリット

ユニセックスな服をファッションに取り入れるメリットを知るには、男性の視点、女性の視点の両方を正しく知る必要があります。

男性から見たユニセックスな服のメリット

ボディラインが気にならなくなる

ボディラインの悩みは男性にも女性にもあるものです。年代によっても新たな悩みが生まれてくることがありますよね。
ビッグシルエット、オーバーサイズでざっくりと着こなせば、ボディラインを拾わない優しいマイルドな見た目を目指すことができます。

 

カラバリを楽しめる!

ユニセックスな服にはこれまでは女性向けとされてきたカラーを取り入れた服もたくさんあります。
たとえばピンク!
ピンクは女の子の色と言われることもあり、女性を象徴する色のひとつでしょう。

出展:ZOZOTOWN

こちらは女性モデルが着用していますが、オーバーサイズでヴィンテージ加工のスウェットなので、男性もバッチリ着こなすことができます。
彼氏彼女のペアルックも個性的で素敵ではないでしょうか?

 

女性から見たユニセックスな服のメリット

メンズライクなコーデを楽しんでいる女性もとても増えていますよね!
女性目線で感じられるメリットも、ボディラインを気にせず着用できることではないでしょうか。
バスト、ウエスト、ヒップなどなど女性の体にも悩みはつきものですが、ビッグシルエットを取り入れれば、気になる部分を今っぽく隠すことができます。

 

「女性らしさ」から解放される

女性の中には自分のバストをできるだけ小さく見せたいという希望を持っている方もいらっしゃいます。
その理由は太って見えるのが嫌、性的な目線で男性に品評されるのが嫌、勝手に女性の象徴のように扱われるのが嫌など様々です。

ユニセックスな服は男女兼用で着られるボディラインが強調されないデザインのものが多いですし、女性向けのユニセックスな服は従来の男性向けファッションにぐっと近寄ったものも増えています。
ユニセックスなファッションを取り入れることで、強制的な「女性らしさ」から自分を解き放つこともできるのです。

 

かわいさも演出できる

ジェンダーや性別は特に意識せずに、「かわいいから」という理由でダボっとしたビッグシルエットを取り入れている女性も多いものです。

出展:ZOZOTOWN

「かわいいから」「好きだから」「お気に入りだから」などなど、どんな理由でも気に入った洋服を着ると気分が上がりますよね!
好きな服を着ることはファッションにおいていちばん大切で、本当のオシャレなことなのかもしれません。

 

ユニセックスは流行では終わらない!

洋服にはかなり早いスパンで流行り廃りのトレンドがあることは皆さんご存じのとおりです。

かつての女性のコルセットのように服を着るということと自分自身の心地良さが必ずしも一致しない時代があり、この抑圧からの解放運動が新たなファッションを生みました。社会へ強烈なメッセージを発信するようなファッションは一過性の流行りとは違い、新しい世界を作っていくひとつの社会運動と言っても良いものでしょう。

ひとりひとりのファッションがやがて社会を変革するものになると考えると、明日着る服を考えるのがとても楽しくなりませんか?