CHANEL(シャネル)マトラッセ 世界中で愛されるアイコンバッグ


ーガブリエル・シャネル展 Manifeste de modeー彼女が愛される理由でもほんのちょっとだけ触れたCHANEL(シャネル)のマトラッセ。
憧れている人も多いと思いますし、マトラッセという名前を聞いたことがなくても見たらすぐにピン!とくる人も多いはず。

マトラッセは今若い女の子にもとても人気があるのですが、その原型となったバッグは実は1955年から存在しています。

シャネル マトラッセとは?

Chanel 2.55
Liu Wen Cheng 我希望成為, CC BY-SA 2.0 , via Wikimedia Commons

シャネル マトラッセ(MATELASSE)は、シャネルを代表すると言っても過言ではないショルダーバッグです。
「マトラッセ」はフランス語で「袋詰めされた」「ふっくらしている」などの意味があり、シャネル マトラッセも生地にふくらみがあります。
このふくらみは「ふくれ織」という技法によるものです。表と裏の布がダイヤ模様にステッチしてあり、この縫い目がへこむことによって生地にふっくら感が出るのです。
見た目の高級感もありながら、バッグの耐久性を高める効果もあります。

なお、シャネルではダイヤ型の格子模様は全てマトラッセに定義していて、フラップ(蓋)付きショルダーバッグ以外にも腕時計などにもマトラッセが使用されています。
(ここからはショルダーバッグをマトラッセと表現します)

 

シャネル マトラッセの歴史

シャネル マトラッセは、1983年に誕生しました。
当時のシャネルのデザイナーであったカール・ラガーフェルドが作り上げたショルダーバッグです。

しかし、マトラッセの原型となるバッグは1955年にすでに誕生しています。それがココ・シャネルデザインのショルダーバッグ「2.55」です。


出展:MARUKA

1955年2月に発表が行われたことから2.55と名付けられました。

この当時、女性向けのバッグは機能性よりもデザイン性やエレガントさが重視されていました。ハンドバッグやクラッチバッグが多く、使いやすさはあまり考えられていなかったのです。

そんな中でココ・シャネルは女性の両手を開放すべく肩に下げて持つことができるショルダーバッグ2.55を発表します。
ショルダーにチェーンが用いられているのも非常に大きな特徴です。頑丈で実用性も高いですし、デザインとしても優れていますよね。

 

2.55には厳しい声もあった

当時は、社会的風潮から2.55を批判する声も多かったと言います。
男性優位の時代でしたので、実用性の高いバッグを女性が持ち歩くことに難色を示す人も多かったのです。

しかし、2.55の使いやすさとデザイン性は、窮屈さを感じていた女性の感性に刺さって瞬く間に人気が出ました。
ココ・シャネル自身も実際に肩から下げて2.55を持ち歩き、その姿は多くの女性の目を引きました。

 

「2.55」からの「11.12」そして「2.55Reissue」

様々な進歩的なデザインを残して、ココ・シャネルは1971年に亡くなります。
ここで1度シャネルブランドは人気に陰りを見せるのですが、1983年にクリエイティブ・ディレクターとして就任したのがカール・ラガーフェルドです。

カール・ラガーフェルドはシャネルの再建に注力します。そして、2.55に再解釈を加えた「11.12」という新しいバッグを生み出します。これがマトラッセです。
実は、2.55のバッグ表面には現在のマトラッセを象徴する「CCマーク」はついていません。CCマークがつけられたのは11.12以降なんです。このデザインが世界中でヒットすることになります。

それから2.55も1度廃盤となるのですが、50周年記念モデルとして2004年に「2.55Reissue(リシュー)」が発表されます。
2.55リシューは限定モデルだったのですが、とても人気が出たことから現代も製造が続けられています。

 

マトラッセと2.55の違いは?

カール・ラガーフェルドはシャネル2.55にココ・シャネルが込めたスタイルを守りつつ、時代の風を取り込んでアップデートしました。
このことから2.55はマトラッセの原型と言われているのですが、大きな違いは2つあります。

表面の金具が違う

2.55の金具は「マドモアゼルロック」と言われているターンロック式の金具になっています。
一方、マトラッセはシャネルのCCマークを金具にしています。マトラッセがアイコンバッグと呼ばれる所以でもありますね。

チェーンが違う

もうひとつの違いはチェーンです。
2.55のチェーンは二重になっているチェーンが使われていて、マトラッセにはチェーンに革が編みこまれています。

 

マトラッセのシリーズとサイズ。定番はこれ!

マトラッセは年代を問わず毎日のように使えるバッグということで、世界中の女性に愛されています。
マトラッセの主なサイズ展開をご紹介します。

マトラッセ20:幅約18cm×高さ約12.5cm×奥行約6.5cm

「マトラッセミニ」と呼ばれているポーチのようなサイズ感のマトラッセ。
小さめなので収納力は弱いですが、大振り過ぎないところがパーティやお呼ばれなどに最適です。
収納のためのバッグというよりはアクセサリー感覚がかわいいポーチという感じかと思います。

 

マトラッセ23:約幅約23cm×高さ約14cm×奥行約6.5cm

マトラッセミニと比較すると横長なので、スマホ、お財布、化粧ポーチ、イヤホンケースも入ります。(ギリギリかもしれません)
最低限の持ち物を入れるデイリー使いができるマトラッセが良い場合に向いているサイズです。

 

マトラッセ25:約幅約25cm×高さ約15cm×奥行約6cm

マトラッセ25は定番サイズ!
見た目のサイズ感と使いやすさ、収納力のすべてを兼ね備えています。
デイリー使いはもちろんですし、ホテルのアフタヌーンティー、フォーマルなお呼ばれなどいつでもマトラッセを持ち歩きたい女性にとてもおすすめできるサイズです。
初めてのマトラッセにもピッタリ。

 

マトラッセ30:約幅約30cm×高さ約20cm×奥行約9cm

横幅約30㎝、高さ約は20㎝、奥行約9cmの存在感は圧巻!
スマホや長財布、ペットボトルなどをストレスなく収納することができます。
ファッション性と機能性の両方を備えている本当に素敵なバッグです。

 

マトラッセ35:約幅約35cm×高さ約23cm×奥行約10cm

マトラッセ35はコンパクトなマトラッセが使いにくいと感じる人や機能性重視の人に選ばれています。
ノートパソコン、A4サイズのファイルホルダーなども入るので、いつもシャネル マトラッセを持ち歩きたいビジネスシーンでも便利です。
また、ファッション性と高いインパクトもありますので、旅先で手荷物を入れるバッグにもピッタリ。目立ちますよ!

ちなみにマトラッセ30やマトラッセ35のようなマトラッセ30よりも大きなサイズは日本では「デカマトラッセ」の愛称で親しまれています。
フリマアプリ、オークションアプリで探してみるときはデカマトラッセ検索も試してみて!

 
シャネルを代表するマトラッセ。
上品でとてもエレガントで、原型となる2.55にはココ・シャネルの女性解放への想いも込められていて本当に素晴らしいバッグです。
ぜひお似合いのマトラッセを見つけて下さいね。