LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)の人気の理由を探るシリーズ、最終回の今回はルイ・ヴィトンの定番ラインと歴代のデザイナーをご紹介します。
ルイ・ヴィトン「モノグラム」
出展:ルイ・ヴィトン・ナビ!
モノグラムはヴィトンファンじゃなくても聞いたことがあるラインだと思います。
ルイ・ヴィトンの創業者LOUIS VUITTONの頭文字である「L」と「V」を重ねて、星と花が組み合わせてあります。
1896年に誕生したルイ・ヴィトンを代表するパターンです。
一世紀以上使用されているデザインなので、モノグラムを採用したアイテムにはすでに廃盤になっているものもあるのですが、貴重なレアアイテムは価格が上がっています。
ルイ・ヴィトン「ダミエ」
出展:ルイ・ヴィトン・ナビ!
ダミエは、実はモノグラムよりも前となる1888年に誕生したラインで、ルイ・ヴィトンのトランクに使われてきました。
日本の市松模様からインスピレーションを得たことから生まれたデザインというエピソードも有名ですね。
モノグラムと比べるとダミエは非常に落ち着きがあり洗練されていて、ビジネスバッグやオフの日のバッグに使いやすいことから多くの女性を虜にしてきました。
ルイ・ヴィトン「モノグラム・マルチカラー」
出展:ブランドファン
マルチカラーはすでに廃盤になっているパターンなのですが、現在でも中古市場でとっても人気があります!
2003年春・夏に誕生したラインで、日本の現代芸術家、ポップアーティストなどとして活躍する村上隆氏とのコラボによるカラフルなデザインになっています。
トラディショナルなモノグラムラインを33色の特殊なシルクスクリーン印刷で表現してあります。
ルイ・ヴィトン「エピ」
出展:ブランドファン
「エピ」はフランス語で「麦の穂」を意味します。ルイ・ヴィトン「エピ」は、風に揺れる麦の穂をイメージしてデザインされています。
1985年に新しく開発されたパターンなのですが、元は1920年代に使用されていた型をヒントにして生まれました。
エピは男性にも女性にも人気があるモダンなラインで、ビジネス、フォーマル、カジュアルのどんなシーンにもシックに決まります。
ルイ・ヴィトンの歴代デザイナー
1998年~2013年:マーク・ジェイコブス(メンズ・ウィメンズ)
2006年~2011年:ポール・エルバース(メンズ)
2011年~2018年:キム・ジョーンズ(メンズ)
2013~現在:ニコラ・ジェスキエール(ウィメンズ)
2018年~2021年:ヴァージル・アブロー(メンズ)
2023年~現在:ファレル・ウィリアムス(メンズ)
1998年~2013年:マーク・ジェイコブス(メンズ・ウィメンズ)
ルイ・ヴィトンが現在のヌーヴ・デ・カプシーヌ通り4番地にトランク専門店をオープンしたのが1854年のこと。
1900年に入るとルイ・ヴィトンの意志を継いだ息子のジョルジュ・ヴィトンがアメリカにわたり世界中にルイ・ヴィトンブランドをアピールすることに成功します。
事業拡大を目指し、ルイ・ヴィトンブランドは1997年にプレタポルテへの参入を計画します。
ここで抜擢されたのがマーク・ジェイコブスでした。
マーク・ジェイコブスが最初に行ったことがルイ・ヴィトンブランドのシューズの制作です。それまではバッグブランドのイメージが強かったルイ・ヴィトンをアパレルブランドとして展開させたのです。
現在のルイ・ヴィトンのファッションブランドとしての地位はここからスタートしました。
マーク・ジェイコブスは、自身のデビューコレクションショーのために、「モノグラム・ヴェルニ」をデザインします。
出展:ブランドファン
「ヴェルニ」はフランス語でエナメルという意味。質の高いカーフスキンにエナメル加工が施されている革新的なデザインです。様々なカラーで展開されたヴェルニラインは、その実用性も評価されて瞬く間にファッショニスタの心をつかみました。
2006年~2011年:ポール・エルバース(メンズ)
ポール・エルバースはオランダ出身のデザイナーです。マーク・ジェイコブスのもとで、5年間ルイ・ヴィトンのメンズラインを担当しました。
当時のルイ・ヴィトンはウィメンズラインのイメージが強く、男性への訴求力が弱いことを問題としていました。
出展:ブランドファン
そこでポール・エルバースは男性へアプローチするパターンとして「モノグラム・マカサー」をデザインします。モノグラムに黒いレザーがアクセントになっているデザインで、これが男性からの支持を得ることに成功しました。
2011年~2018年:キム・ジョーンズ(メンズ)
ポール・エルバースのあとにメンズラインのディレクターに就任したのはロンドン出身のキム・ジョーンズです。
キム・ジョーンズは、ルイ・ヴィトンのラグジュアリー感にストリート要素を取り入れてメンズラインの成長を支えます。特にSupreme(シュプリーム)とのコラボは大きな話題になり、発売日当日にたくさんの人がショップに並んでお目当てのアイテムを購入しました。
自ら流行を生み出して、ラグジュアリーメンズウェアトップブランドの地位を確立したのです。
2013~現在:ニコラ・ジェスキエール(ウィメンズ)
2013年から現在もウィメンズ部門で活躍しているのがニコラ・ジェスキエール(ニコラ・ゲスキエール)です。
ニコラ・ジェスキエールは26歳でバレンシアガのデザイナーとして参加したことで知られています。2013年にバレンシアガ クリエイティブデザイナーを辞任して、すぐにルイ・ヴィトンのアーティスティックディレクターとして就任しました。
2018年~2021年:ヴァージル・アブロー(メンズ)
2013年にストリートブランド・オフホワイト(Off-White)を立ち上げたヴァージル・アブローは2018年からルイ・ヴィトンのメンズクリエイティブディレクターに就任しています。
ヴァージル・アブローが手掛けたデザインはこれまでのルイ・ヴィトンにはない前衛的なもので、ルイ・ヴィトンに触れてこなかった若い世代やストリート界にさらに深くブランドを浸透させることに成功しました。
しかし、ヴァージル・アブローは2021年11月に癌により死去することとなりました。この発表を受けて、世界中から悲しみの声がルイ・ヴィトンに届きました。
2023年~現在:ファレル・ウィリアムス(メンズ)
出展:LOUIS VUITTON
ヴァージル・アブローの後任デザイナーは長く決まっていなかったのですが、2023年6月に音楽プロデューサー、ファッションデザイナーなどの肩書を持つファレル・ウィリアムスが新しいメンズクリエイティブディレクターに就任し、2024年春・夏コレクションショーを発表しました。
再発進したルイ・ヴィトンにこれからも注目ですね。