アンナ・カリーナは、1940年生まれのデンマーク、コペンハーゲン出身のフランスの女優です。2019年に79歳でなくなるまで数々の映画に出演してきましたが、中でも1960年代の映画の中のファッションは、今も新鮮な魅力を放っています。
1960年代といえばオードリー・ヘップバーンやモデルのツイッギーなどのファッションが印象的ですが、1960年代に数々の映画に出演したアンナ・カリーナのチャーミングな着こなしをお手本にする人は、今なお多く存在します。
この記事ではアンナ・カリーナの出演の映画を振り返りながら、1960年代のファッションの特徴とその魅力をお伝えします。また、1960年代に流行した男性のファッションについても触れていきます。
アンナ・カリーナの出演の映画
1960年代を中心に、アンナ・カリーナが出演した映画の中のファッションの特徴とその魅力をお伝えします。
女は女である(1961年)
出典元:https://hukadume7272.hatenablog.com/entry/2020/02/24/064109
この映画でのアンナ・カリーナのファッションは、赤、青、白のトリコロールカラーでまとめているのが特徴的です。トリコロールとは、フランス語のトリコロール「三色の、三色旗」に由来しています。赤、青、白の鮮やかな色合いの組み合わせは、世代を超えて人気です。
どの色をメインにするかによって、華やかさの中にも落ち着いたコーディネートが楽しめます。例えば、ネイビーのワンピースに赤の細いベルトをして、白い付け衿をすると、きちんと感が出ます。
この映画でのアンナ・カリーナのファッションでは、厳密にいえば3色をすべて使っているわけではありませんが、トリコロールカラーファッションの代表として語られることが多いようです。中でもこの映画に登場するファッションで印象的なコーディネートといえば、赤を使ったアイテムです。特に、赤のカーディガンを使ったシーンはたくさん出てきます。
赤いクルーネックカーディガン、黒いストライプタイトスカート、オフホワイトのコート(内側がチェック)に赤いタイツなどのコーデは、トリコロールカラーの青が黒に置き換えられていますが、誰が見てもトリコロールカラーを連想させます。
はなればなれに(1964年)
出典元:http://kisonoabaraya.qcweb.jp/bandeapart.htm
「はなればなれに」は、ジャン・リュック・ゴダール監督とアンナ・カリーナの独立プロ第1作目の犯罪映画をもとにしたモノクロ映画です。この映画のアンナ・カリーナのファッションは、スクールガールファッションと呼ばれるシンプルでべーシックなスタイルです。タータンチェックのスカートにニットのセーター、そしてピーコートといった取り合わせは、半世紀を超えて愛されている定番のコーディネートです。
気狂いピエロ(1965年)
出典元:http://wasedashochiku.co.jp/archives/schedule/616
この映画でのアンナ・カリーナのファッションの見どころは、赤を基調としたリゾートファッションの着こなし方です。白いレースのノースリーブワンピースや赤と白のノースリーブのボーダーワンピース、赤のチェックのパンツ、赤いタイトスカート、白いTシャツなど赤を取り入れたコーディネートが多くみられます。
また、白いTシャツにジーンズのマリンルックは、不滅のコーデですが、タイトシルエットの白シャツをジーンズにインしているところが参考になります。その他にも、アーミージャケットやアーミー帽の着こなし方も真似をしたくなります。
「気狂いピエロ」は、フランスとイタリア合作の映画で、ジャン・リュック・ゴダール監督とアンナ・カリーナの離婚後の作品です。
アルファヴィル(1965年)
この映画でのアンナ・カリーナは、レースのブラウス、黒のワンピース、ツーピース、白いなど、ファーがあしらわれた黒いコートなどシックな装いが中心となっています。
「アルファヴィル」は、ジャン・リュック・ゴダール監督が手掛けた、モノクロのSF映画なので、ファッション的にはモノトーンの美しさが学べる作品と言えるでしょう。
MADE IN U.S.A.(1966年)
出典元:https://ameblo.jp/cinemaclassic/entry-12699528340.html
1966年頃は、アメリカのヒッピーから始まった、サイケデリックファッションの全盛期でした。サイケデリックファッションは、全体的にな幻想的な雰囲気があり、幾何学模様や花柄をアレンジした派手で、蛍光色使っているのが特徴と言えます。この作品の中でも、アンナ・カリーナは極彩色のチェックやストライプのニットワンピースを着ています。
また、マルチカラーのブロックチェックや、イエローとオレンジのボーダー、パープルとブルーの斜めボーダーなどが目を引きます。
一方、トレンチをおしゃれに着こなしたシックなスタイルも見逃すことはできません。
「メイド・イン・USA」は、ジャン・リュック・ゴダール監督による、実際の事件をもとにした、ハードボイルド・タッチの作品ですが、ゴダールとアンナ・カリーナが組んだ最後の作品になります。
アンナ(1966年)
出典元:https://screenonline.jp/_ct/17294300
「アンナ」は、ピエール・コラルニック監督によるフランス国営放送の初のカラーのテレビ映画となったミュージカル・コメディです。この映画で印象的なのは、黒ぶちに丸眼鏡姿のアンナ・カリーナです。
赤いニットに青いチェックスカートや青いニットに黄色のプリーツスカートが目を引きます。ボーダーのニットや黒いニットの使い方も参考になります。
メンズンズの赤いシャツにボーダーのニーハイソックスなどのコーディネートは、キュートでかわいい好きの女性は、日常のファッションにも取り入れてみる価値があります。
1960年代の男性のファッションの傾向を映画から見ると?
1960年代の男性を代表するファッションと言えば、カジュアル系ファッションなら1960年公開の アランドロン主演「太陽がいっぱい」ではないでしょうか。
友人を殺して完全犯罪をもくろむミステリー映画ですが、ボタンダウンシャツやホワイトジーンズのファッションスタイルは今見ても爽やかです。
この映画がロマンティックな要素をたっぷり含んでいるのは、アランドロンのさりげない着こなしによる、おしゃれ感が影響しているとも言えます。
一方で、ダスティン・ホフマン主演の1967年公開「卒業」にみるアイビースタイルは、 半世紀以上経っても古臭さが感じられません。戦後の日本経済が大きく成長を遂げた「高度経済成長期」に当たる1960年代は、男性にとってもおしゃれにお金をかけられる時代だったこともあり、それぞれの人がこだわりのマイファッションに身を包みました。
アイビールックとは
オードリー・ヘップバーン主演の1961年公開「ティファニーで朝食を」の相手役のジョージ・ペパードのアイビースタイルに人気がでました。アイビールックとは、アメリカ東海岸にある8つの名門私立大学のアイビーリーグに由来するファッションスタイルです。基本的なコーディネートとしては、ボタンダウンシャツに紺の3つボタンジャケット、コットンパンツです。
現在も、多少はアレンジしてあるものの、トラッドファッションとして定着し、アイビールックの全盛期を知らない世代にも評判が高いです。当然シニア世代からも支持されており、根強い人気を博しています。
レトロでも美しい1960年代のファッション
近年、注目を浴びているレトロファッションですが、中でも特に人気が高いのが1960年代のファッションです。この時代のファッションは、2020年代にも男女を問わず多くの人に支持されています。
パリコレを扱った雑誌にも、1960年に流行ったトリコロールカラー使いのコーディネートは、年中掲載されています。この記事を参考に、レトロビューティーにチャレンジしてみませんか?