世界的美女の一人である豪華絢爛なファッションを着こなしたエリザベス・テーラー

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華やかさで知られるエリザベス・テイラーは、1942年から2003年までに数多くの映像作品に出演しています。
絶世の美女といえば、「クレオパトラ」の名前が浮かびますが、目鼻立ちがはっきりとしたエリザベス・テイラーの美しさが絶頂を極めていた29歳の頃に、「クレオパトラ」の映画は作られました。
本記事では、エリザベス・テイラーの代表作であるクレオパトラの衣装とともに、彼女が少女時代に出演した「若草物語」のファッションについてお伝えします。

エリザベス・テイラー出演の「クレオパトラ」

出典:https://www.vogue.co.jp/celebrity/quoteme/2018-02-27

エリザベス・テイラー出演の「クレオパトラ」は、映画史上最高額の製作費約290億円(4,400万ドル)、出演者は22万3千人、4年7ヶ月をかけて制作されました。
観音様の顔は左右対称ですが、「クレオパトラ」の映画衣装があまりにも神々しく見えるのは、エリザベス・テイラーの顔のつくりが同じく左右対称であったからとも言われています。
24金の衣装が重すぎて、彼女は長い間立っていられなかったというエピソードがあるほど豪華絢爛の衣装でしたが、当時のエリザベス・テイラーは、その衣装にも負けない輝きがありました。

「クレオパトラ」作品の中の衣装について

それでは、劇中で印象的な衣装を紹介していきます。

・エリザベス・テイラー着用のオレンジ色のノースリーブのワンピースが印象的です

両サイドに大きくスリットが入っており、そのスリットから白のロングプリーツがのぞくデザインです。
このデザインはどこか東洋的な要素があるようにも見えますが、現代日本でも数年前から流行っています。
「クレオパトラ」が放映されたのが1963年なので、半世紀以上も前のデザインが流行するとは意外なようにも思えますが、両サイドにプリーツが入ることで足さばきがよく、活動的な現代女性にもピッタリのデザインなのです。

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・ベージュのワンショルダーのドレスも、心惹かれる衣装です

ワンショルダーのドレープドレスは、ギリシア風のデザインですが、クレアパトラのおかっぱへアスタイルにぴったり合っています。
劇中のワンショルダーのドレスは、左右対称の整った顔に、アンバランスなドレスがしっとりとした美しさを演出しています。
左腕につけられたゴールドのアームバングルが、全体の甘さを引き締めています。
素肌にアームバングルは、どうしても二の腕を強調してしまいますが、薄手のセーターなどの上からつけると、オシャレ感が出ます。
映画に登場するファッションをすべて模倣するのではなく、少し取り入れるだけでひと味違うオシャレ上級者になれます。

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・ターコイズブルーのチュニック風ドレス

胸が大きくあき、両サイドに深いスリットが入ったターコイズブルーのチュニック風ドレスは、クールビューティー感が強調されます。
現代の大人ファッションにチュニック風ドレスを選ぶ場合は、やはり両サイドに深いスリットが入ったデザインをおすすめします。
スリットが入ることで抜け感が出て、適度な色っぽさと爽やかさが表現できます

画像出典元 不明

大人女性を魅力的に演出するオレンジ、ベージュ、ターコイズブルーについて

劇中でご紹介した衣装のほかにもたくさんの衣装が登場しますが、大人の女性の誰にでも似合う色が、オレンジ、ベージュ、ターコイズブルーです。
オレンジは焚き火の色で温かいイメージ、ベージュは柔和でおだやか雰囲気、ターコイズブルーは浄化の色となっています。
映画のそれぞれのシーンに合わせた衣装の色の選び方も、的を得てるように思われます。
女優ではない私たちも、その日の気分やシチュエーションに合わせて着る服の色選びをすると、よりチャーミングな自分が演出できることでしょう。

エリザベス・テイラー出演の「若草物語」

出典:https://www.thecinema.jp/program/00905

1949年の「若草物語」は、ルイザ・メイ・オルコットの自伝的要素をもつ作品を映画化したものですが、マーヴィン・ルロイ監督は三女のベスと四女のエイミーを変更しています。
その理由は、エリザベス・テーラーがあまりにも大人びていたので、三女にしたとも言われています。
彼女は撮影当時、16歳で既に完璧な美を誇っていたようです。
衣装や小物、舞台セットなどが実に美しいことや、それぞれ性格の異なる四姉妹たちのファッションも、とても楽しく観ることができます。
1860年頃には多くの家庭にミシンが普及しており、人工染料が発明されて色とりどりの生地が流通していたようです。
ちなみに若草物語でマーチ家の女性たちが身につけていた個性的な服装は、母親の手作りだったようです。

服を縫っていた中産階級の女性たち

母親手づくりの洋服には、四人姉妹のそれぞれの個性が現れています。

・長女メグは、愛する男性と結ばれ幸せな家庭を築くことを夢見ています。
メグは水色やピンク、ラベンダー、グリーンなどの色の可愛らしい洋服を好み、アクセサリーはレースやリボンなどを使って自分で作っていました。

・次女のジョーは、経済的自立を目指していました。
ちょっぴりボーイッシュで、ブラウンやグレー系のクラシカルな洋服を好み、当時女性が身に着けていたコルセットをつけず、スカートの下にズボンをはいていたそうです。
ここ数年ワンピースの下にズボン(パンツ)をはくのは、おしゃれ女子にとっては当たり前のことですが、このスカートの下にズボンを穿くスタイルは、1850年代に女性解放運動の一環として流行したそうです。
エレガントでありながらも活動的でありたいと望む、現代女性にも好まれるファッションです。

・三女のエイミーには、世界一の画家になりたいという野望がありました。
エリザベス・テーラーが三女のエイミー役として登場する際の衣装はピンクなどが多く、明るく華やかです。
また、エイミーはオシャレや流行に敏感で、チェックのワンピースなどもモダンに着こなしています。

・四女ベスは、ピアノを弾くことを好んだ芸術科タイプでした。
優しいモーヴ(薄く灰色がかった紫色)やピンクが好みで、童話から出てきたようなファッションです。

人気の大人ガーリーファッション

1949年の映画「若草物語」にも登場するレトロでガーリーなファッションは、今も人気を集めています。
レトロな雰囲気のエプロンドレスや、チェック柄のドレスは今季のパリコレにも登場しており、今期は「ヴィンテージガーリー」なアイテムがトレンドになっています。
白色やピンクといった甘い色使いのフレンチガーリーとは少し違い、ベージュやグレーなどの大人っぽいレトロな色が特に人気です。

経歴も豪華そのもの

美しく神秘的なすみれ色の瞳を持ったエリザベス・テイラーは、二度のオスカー主演女優賞に輝き、映画のギャラは1億円、大好きな宝石はダイヤモンドでした。
恋多き女優としても有名で、なんと8回も結婚を繰り返しました。
10歳のとき「There’s One Born Every Minute」(1942年)で、スクリーンデビューしました。

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その後、「緑園の天使」(1944年)、「陽のあたる場所」(1951年)、「ジャイアンツ」(1956年)などに出演しました。
「愛情の花咲く樹」(1957年)で、アカデミー主演女優賞初のノミネート、「熱いトタン屋根の猫」(1958年)、「去年の夏突然に」(1959年)と連続でノミネートされ、「バタフィールド8」(1960年)、「バージニア・ウルフなんかこわくない」(1966年)で、主演女優賞を受賞しました。
映画では「フリントストーン モダン石器時代」(1994年)、TV映画では「だって女優ですもの!」(2001年)が、女優としての最後の出演作となり、2011年3月23日、うっ血性心不全のため亡くなりました。

未来のトレンドを作る魅力的なファッション

「故きを温めて新しきを知る」といいますが、振り返ってみるとエリザベス・テイラーが着こなした「クレオパトラ」の衣装のひとつのチュニックドレスといい、「若草物語」の次女ジョーのスカートの下にズボンを穿くスタイルといい、ファッションのトレンドが繰り返されていることが分かります。
人の好みや流行は変わっていくものですが、昔のスタイルから未来のトレンドを予測するのもファッションの醍醐味といえるかもしれません。

またいつでも人の心を魅了する衣装を着こなしたエリザベス・テイラーも、素晴らしい女性だったといえるでしょう。